狂奏曲~コンチェルト~


 かなめは首を横に振った。

「私がつばちゃんに嘘をついたから!」

 かなめはさっきから嘘という言葉を繰り返している。
 だが、俺にはそれが何かわからない。

「嘘って……なんのことだよ」
「私、ずっとつばちゃんのことが好きだった」
「…………」

 かなめは唇をかみ締めて、

「ずっと好きだったのに、いつからかつばちゃんは私の前では笑ってくれなくなった」

 え……?

 俯いて、告白するかなめの身体が震えている。

「つばちゃん、ほのかといつも一緒にいて、ほのかの前では笑ったりしてたのに、私の前だと笑ってくれなくなったんだよ」
「それは……」

 かなめの言葉に、違和感を覚える。
 かなめ、ほのかのこと、ほのかって呼んでいたっけ……?

 しかし、今はそんなことよりもかなめの言葉だ。

 俺がかなめの前で笑わなくなったというのは、からかわれるのが恥ずかしくなって、自分の気持ちをかなめに知られたくなかったからだ。
 それを、かなめが気にしていた……?