狂奏曲~コンチェルト~



 かなめは、そっと俺を抱きしめた。

「つばちゃん、愛してる」

 そして、泣きながら俺の耳元で囁いた。

「ごめんなさい」

 震えながらもしっかりした声で、謝るかなめ。

「つばちゃんを、いっぱい傷つけた」

 泣きじゃくるかなめ。
 俺は、力が抜けて崩れ落ちた。
 俺にしがみついているかなめもそのまま座り込んだ。

 俺は、かなめを抱きしめ返すことができなかった。

 心の奥に、まだ恐れがあったから。


 俺はまた、かなめを傷つけるかもしれない――。


 だけど、しゃくりをあげながらかなめは俺に謝った。

「全部、私が嘘をついたのがいけなかったの」

 なんで、かなめが謝るんだ……?

 意味がわからず、俺は何も言えなかった。

 涙をぬぐってやりたいのに、抱きしめてやりたいのに、罪深い俺にはそれができなかった。

「つばちゃん、つばちゃんは何にも悪くなんかなかったんだよ」
「そんなわけないだろっ……?」

 俺は、かなめを傷つけた。
 嫌がるかなめを無理矢理、犯したんだ。