狂奏曲~コンチェルト~


「つばちゃん……?」
「かな……め……」

 信じられないものを見るように、私を見つめるつばちゃん。

「どうして……」
「つばちゃん、聞いて」
「っ……」

 私は立ち上がって、つばちゃんに微笑みかけた。
 笑みとは対照的に、目からは涙が溢れて止まらなかった。

 嬉しかったから。
 つばちゃんの瞳に、私が映ってくれたことが。

「つばちゃん、私、全部思い出したんだよ」

 思い出したの、つばちゃんとの大切な思い出を。

「だから、聞いて」

 怯えるように私を見ているつばちゃん。
 苦しそうに歪められている顔。

 私は、つばちゃんを苦しみから解放してあげたい。

「私はずっとつばちゃんのことが好きだった」
「え……?」

 呆けた声を出すつばちゃん。

「私は、あの出来事があっても――つばちゃんを恨んだりしなかった」
「かなめ……?」

 恨んだりできるはずがない。
 つばちゃんは、私の最愛の人。

「あれは、私が悪かったの」
「っ」
「つばちゃんに嘘をついた、私のせいだったの!」

 つばちゃんにゆっくりと近づく私。
 身動き一つとらないつばちゃんは、目を見開いて私を見ていた。