狂奏曲~コンチェルト~



 私は扉の前で、考えた。

 どうしたら私の声はつばちゃんに届く?
 どうしたら、私はつばちゃんに謝れるんだろう……。


 私は溢れそうになる涙をこらえながら、目を閉じた。


『かなめ』

 照れたように私を呼ぶその声。

『つばちゃん』

 私が応えると、細められる時折青く光る灰色の瞳。
 私は、その瞳が大好きだった。

『私、つばちゃんの目、好きだよ』


 つばちゃん、知ってる?

 私がつばちゃんの目を好きだって言ったのは、つばちゃんの目にいつまでも私が映っていて欲しかったからだよ。
 私以外の誰も見て欲しくなかった。
 つばちゃんは、いつまでも私だけのものでいて欲しかった。

 ごめんね、つばちゃん。
 私、つばちゃんの気持ちに気づかないで――。

 つばちゃんが、同じことを思っていたなんて……。


『かなめ……愛してる……』

 想いを吐き出すように奏でられた、

『かなめ……愛してる……』