狂奏曲~コンチェルト~






 扉を開いて、

「お邪魔します」

 と小さい声で言って、恐る恐る家の中に入った。

 辺りを見回した私は、感慨深い気分になった。

 私はここに何度もやってきた。
 つばちゃんに会いたくて、何度もここを通った。

 つばちゃんはどこにいるんだろう?
 つばちゃんの部屋かな?

 でも……
 会ったら一体なんて言えばいいのかな……。

 つばちゃんに、私は見えるかな?
 つばちゃんに、私の声は聞こえるかな……。

 私は二階に上がろうかどうか迷っていると、

 がちゃ

「っ」

 リビングの方から音が聞こえた。

「つば……ちゃん……」

 そこにいたのは、二ヶ月ぶりに見た最愛の人の姿だった。

「つばちゃんっ」

 気を取り直して、大きな声でつばちゃんを呼んだ。