狂奏曲~コンチェルト~


「……どうしたんだ?」
「いや、お前の幸せは何か考えてた」
「は?」

 父さんの言葉に、俺は眉をひそめた。

「なんだよ、いきなり」
「俺は、母さんと結婚して、お前という息子を持てて、幸せだと思っている」
「?」

 突然始まった変な話に、俺は呆気に取られる。

「お前は、誰かを好きになったことはあるか?」

 え……?

「誰かを、本気で、心の底から」

 父さんの言葉に、なぜか心がざわめいた。
 なんだ、この感覚……?

「あなた?」

 部屋から母さんが父さんを呼んだ。
 父さんはじっと俺を真剣な瞳で見つめ、

「よく、考えろ」

 そう言って母さんのところへと向かった。


 気持ちが悪い。
 何かが湧き上がってくるような、嫌悪感。

 俺の、好きな人?
 父さんはどうしてそんなことを聞いた?

 何がなんだかよくわからない混乱の中、父さんと母さんは出かけていった。