「私、つばちゃんに謝りたくて……できたら、昔みたいに、ちゃんと向き合いたくて……」
おじさんは微笑んで、
「君は、強いな」
「え……」
「翼が事故に遭ったと聞いて気が気じゃなかった。だけど、帰ってきたあいつが何もかもから解放されたような顔をしていて、違和感を覚えたんだ」
おじさんは険しい顔で、
「あいつが君にした仕打ちは、簡単に忘れてしまって良いものなのか?」
「やめて……つばちゃんを責めないでっ」
「君が許しても、私は許せない。君の両親の気持ちはどうなる」
「…………」
私が俯くと、おじさんは穏やかな声で、
「でも、私だって息子に幸せになってもらいたい」
「…………」
「君は、翼といて幸せになれるのか?」
おじさんの言葉への答えは、簡単だった。
「私の両親にも言いました。私は、つばちゃんとじゃないと幸せになれない」
「……そうか」
おじさんは少しだけ笑って、
「明日の夜、家内を連れて食事に行く」
思いがけない言葉に私はおじさんを見た。
「翼を置いていくように計らうから――あとは上手くやるんだよ」
「……ありがとうございますっ」
おじさんはためらった後で私の頭をなでた。
「昔から君の事は娘のように思っていたんだ。君にも幸せになってほしいと思ってる。今日はもう遅いから、食べ終わったら帰りなさい」
「はい。おじさん、本当にありがとう」
私はスパゲティーを食べながら、おじさんと他愛もない話をした。

