狂奏曲~コンチェルト~


「でも……私は……」
「君の気持ちは、関係ない」
「っ」

 おじさんの言葉に私は硬直した。

「家内が――痕跡のあるシーツを見つけたときの私達の衝撃は、想像もできないだろう」
「…………」
「翼がとんでもないことをしでかした。そして、一人でそれを抱え込んだ。君は君で、茫然自失で……翼のことを忘れてしまっていた」

 おじさんはため息をついた。

「何が起こったかなんて、すぐにわかった。本当は、翼は罰せられなくてはいけなかった」
「つばちゃんは何も悪くないっ」
「……君は、翼の事を好きでいてくれるんだね。いつ、翼のことを思い出したんだい?」
「二ヶ月前です……」

 私の目に、涙が溜まる。

「私、思い出す前につばちゃんと付き合っていたんです」
「……翼は、もちろん君だとわかって近づいたんだよね?」
「はい。でも、つばちゃんは何も悪くないんです。あれは……私が嘘をついたからで……」

 おじさんは寂しげに微笑んだ。

「翼は、君のことを想って、いろいろな障害を引き起こした」
「はい……」
「全ては精神的なストレスが原因だ。でも、今はそれがなくなった」
「…………」

 おじさんも、きっと私に帰れと言うんだ……。

「かなめちゃんは、翼に会いたいのか?」
「え」
「だから家にいたんだろう? まあ、家内に合わせてもらえないってところじゃないのか?」

 私は頷いた。