狂奏曲~コンチェルト~




「久しぶりだね」
「はい」

 やってきたのは、近くのファミレスだった。

「好きなものを頼んで良いよ」
「でも……」
「いいから」

 言葉に甘えて、私はスパゲティーを注文した。
 自分はアイスティーを注文して、

「あとで家で食べるから、お腹減らしておかないとな」

 そうやって笑うおじさんの、気持ちがわからない。
 おばさんはあんなに私のことを恨んでいるのに。

「……かなめちゃん、まずは謝らせて欲しい」
「え?」

 おじさんの思いがけない言葉に、私は目を見張った。

「なんで……」
「翼が、君にしたことを考えたら……」
「っ……」

 私は息を飲んだ。
 おじさんは深く息を吸って、

「君も翼も知らないだろうが、あの出来事があった後、四人で話し合ったんだ」
「……え」

 四人というのは、私の両親とつばちゃんの両親のことだろう。

「君のお兄さんも、知らされていなかったと思う。だけど、君の両親は黙っているわけにはいかないだろ? 娘があんな目にあって」

 お父さんの言葉が、嫌でも思い出された。