狂奏曲~コンチェルト~






 なんだか、下が騒がしい。

「いい加減にして!」
「きゃっ」

 え?

 母さんの声と、悲鳴のようなものが聞こえて、俺は一階に降りた。

「母さん?」
「翼……っ」

 酷く焦ったような顔で俺を見る母さん。

「どうしたんだ? なんか声が聞こえたけど……」
「なんでもないの。気にしないで」

 母さんの様子がおかしい。

「?」

 腑に落ちないながら、俺は二階に戻った。

 毎日、誰かが訪ねてきている。
 母さんはいつもその人物と言い争っている。
 いったい誰だろう?


 それにさっき、誰かに呼ばれたような気がした。
 酷く懐かしいような、聞き覚えのない声。

 いったい誰なんだ……?