狂奏曲~コンチェルト~


「…………」

 これを見るたびに、なぜか胸が締め付けられる。
 ほのかが俺にくれたストラップだった気がするが、ほのかのことを思うと今でも胸が痛い。
 五年間俺と一緒にいて、俺のことを好いてくれていたほのか。
 だが、俺はその想いに答えられなかったんだ。

 ため息をつきながら、ベッドに横たわった。

 なんとはなしに、部屋に閉じこもる日々。
 久しぶりに有紀と遊びたいとも思ったし、大学にも行きたいと思った。
 だが、母さんがかたくなに外出を許してはくれない。

 ぽっかりと心に穴が開いたような退屈の中で、俺は目を閉じた。





「帰って!」

 また、目の前で扉が閉じられる。

「……つばちゃん……」

 お母さんの妹である叔母さんの家にお世話になって、私は毎日つばちゃんの家を訪れていた。
 今日で、4日め。
 しかし、門前払いか続いている。

 昨日も今日も、私の顔を見た途端、おばさんは扉を閉めた。
 聞く耳を持ってはもらえない。