狂奏曲~コンチェルト~


「でも……つばちゃんから離れたくない……っ」

 こんなことを、ほのかに言うのは間違っているのかもしれない。
 だけど、ほのかにしか、言えなかった。

「……諦めないで」
「え?」

 涙をぬぐおうともせずにほのかを見上げた私。
 ほのかは険しい顔で、

「翼が、かなめを拒絶するはずがない」
「……ほのか……」

 そう断言した。

「翼を近くで見てきたのは、あたしだよ? あたしは翼がどれだけかなめのことを想ってきたのか、誰よりも知ってる。だから言える。翼は、今でもかなめが好きだよ」

 その言葉に、胸の奥から熱いものがこみ上げてくる。

「でも……」
「かなめ」

 力のこもった声に、私はほのかを見た。

「逃げるな」
「っ」

 笑顔で、そんなふうに言われたら……逃げられなくなる。
 ほのかにそんなふうに言われたら、頑張るしかなくなる。

「大変かもしれない。でも、翼とかなめなら乗り越えられる。二人じゃなきゃ、本当に幸せになんてなれない」
「……っ」

 ほのか、自分だって辛い思いをしたはずなのに――……