狂奏曲~コンチェルト~


「つばちゃんが……」
「まさか……」

 冴島さんが泣きながら、

「あたし、こ、こんなつもりじゃ……」

 私は泣きながらお兄ちゃんに電話をかけた。
 これほど、呼び出し音を長く感じたのは初めてだった。

『もしもし?』
「お兄ちゃん! つば、つばちゃんが事故に遭った」
『何……? かな、今お前どこだ?』
「工学部の前! 今すぐ来て!」

 私はその場で、うずくまった。

「つばちゃん……」

『自殺かな』

 さっきの男の子の言葉が頭から離れない。

 つばちゃん、お願い……何かの間違いであって。
 つばちゃんは、私のせいでどれだけの絶望を味わったんだろう。
 私は、ずっと、つばちゃんのことが好きだったのに、つばちゃんはそれを知らないでいる。
 私がつばちゃんを責めていると、恨んでいると思っている。
 つばちゃん、お願いだから。
 私の話を聞いて。