「つばちゃんはずっと一人で苦しんできた……私は、つばちゃんを解放したいの!」
「……貴女にできるの?」
「私にしかできない!」
私の言葉に、冴島さんの顔が歪んで、涙をこぼした。
「あたしは……貴女がまた、翼を傷つけるんじゃないかと……」
「どういう意味?」
「犯されたことを思い出した貴女が、翼を傷つけると思った!」
私はかぶりを振って、思い切り冴島さんの頬を叩いた。
左頬を押さえて、私を見る冴島さんに、
「私はつばちゃんになら、壊されても良いと思ってる!」
私はそう叫んだ。
「どうか……してる……」
冴島さんは放心したように呟いた。
「つばちゃんは、なんで学校に来てないの?」
「……翼は、貴女が何かを思い出そうとしてるのに、悩んでた」
「…………」
「だから……」
真っ青な顔で続ける冴島さん。
「あたし……自分を犯した男と一緒にいるわけないって……」
「……っ」
つばちゃん……っ
「あたし……っ」
「なぁ、俺、すげーの見ちまった」
そのとき、偶然通りかかった二人組みの声が、妙にはっきりと耳に届いた。
私はそちらを振り返った。冴島さんもはっとしてそちらを見る。

