狂奏曲~コンチェルト~


「私、つばちゃんが大好きで、だから、気を引きたくて」

 嗚咽で、途切れ途切れになる私の言葉、お兄ちゃんはそれでも何も言わずに私の背中をなでてくれた。

「でも、つばちゃんが、悩んでるなんて知らなかったの!」

 知らなかったからって、許されるものじゃない。

「だから、つばちゃんが……あんなことになったのは私のせいだったのに、つばちゃんは自分を責めてた」

 自分を責めて、色を失って、髪の色まで白くなって、それでも私を想い続けてくれていたつばちゃん。

「それなのに、私つばちゃんのこと忘れちゃってた!」

 私はどれだけ愚かなのだろうか。
 大好きな人の悩みにも気づけず、自分の記憶なのに忘れてしまって。
 それをつばちゃんはどう思っていたんだろう。

「つ、つばちゃんに謝らなきゃいけない……っ」
「かな……」

 お兄ちゃんが、私を抱きしめてくれた。
 なだめるように背中をぽんぽんと叩いてくれる。

 私は気が済むまで、お兄ちゃんの胸で泣いた。