狂奏曲~コンチェルト~


 二人で話しているのを見かけると、つばちゃんはいつも笑っていた。
 それが、悔しくて、悲しくて、私はどうしようもなかったんだ。

 小さい頃から隣にいたのは私なのに。
 つばちゃんと一緒に大きくなったのは私なのに。
 つばちゃんの笑顔も、泣き顔も、起こった顔も、全部知ってるのは私なのに。

 つばちゃんは私には笑いかけてくれなくなった。

 学校は登下校以外一緒にはいられないから、いつも時間があればつばちゃんの部屋に行った。
 つばちゃんが好きで好きで仕方がないから、少しでも一緒に過ごしたかった。
 私がつばちゃんの部屋に行くと、つばちゃんはいつも恥ずかしそうな顔をした。
 口では嫌そうなことを言っていても、でもつばちゃんはいつも優しかった。

 単純に一緒にいるのが嬉しかった私は、つばちゃんの気持ちにちっとも気づけていなかったんだ。
 もしも気づけていたら、もっと素直になっていたら、私達はこんなふうにはならなかったはずなのに。

 つばちゃんの前で、好きな人や男の子の話をしたのも、もしかしたらつばちゃんが私のことを気にしてくれるんじゃないかって気持ちからだった。
 それが、つばちゃんの気持ちを傷つけていたなんて、悩ませていたなんて、少しも知らずに。

 あるとき、クラスの男の子に告白された。
 私は、好きな人がいるからって断ったんだ。
 そして、つばちゃんはそれをどう思うのかと、単純に興味があった。
 ただ、それだけだったのに。