あの頃の私は、つばちゃんの気が引きたくて必死だった。
背が伸びて、眩しいくらいに格好良くなっていく幼馴染みが、つばちゃんが、どこか遠くへ行ってしまうんじゃないか、私を置いていってしまうんじゃないか気が気じゃなかった。
中学校にあがった頃には、つばちゃんは私と一緒にいるのが恥ずかしいみたいで、なかなか笑ってくれなくなった。
それが悲しくて、仕方なかった。
つばちゃんの綺麗な青く光る灰色の瞳に私が映らなくなって、切ないくらいに苦しかった。
学校へ行けば、女の子達が男の子の話をする。
そのときにいつも話題になっていたのはつばちゃんのことだった。
私の幼馴染みであるせいか、みんな私につばちゃんのことを聞いてきた。
つばちゃんに、好きな人はいないか。
つばちゃんは、どんなものが好きか。
つばちゃんの好みの女の子はどんな子か。
つばちゃんと仲良くなりたいから紹介してくれとか。
言語道断だと思っていた。
つばちゃんは私のものなのに。
みんなが聞いてきたことは、私の方こそ聞きたいことだったのに。
中学三年間、つばちゃんと同じクラスになることはなかった。
そしてつばちゃんは、同じクラスの冴島さんという女の子といつも一緒にいるようになった。

