家を飛び出した私は、闇雲に走って、近くの公園へ来ていた。
昔つばちゃんとお兄ちゃんと三人で公園で遊んでいた光景がまざまざと脳裏に浮かぶ。
涙が止まらなかった。
「つばちゃん……っ」
どうして、こんなことになってしまったのだろう。
私は、激しい動悸と震える体を抑えるために、深呼吸をしてベンチに座った。
その間も、涙は止まらない。
私の頭の中で次々と浮かんでは消えていくのは、つばちゃんとの記憶。
それは、私の大好きな人との大切な記憶。
「なんで……」
どうして、私は忘れてしまっていたんだろう。
大好きな人に、あんな仕打ちをした、私の罪を。
「私の……馬鹿っ……」
何もかもを忘れてしまった私と再会したつばちゃんは、いったいどんな気持ちだったんだろう。
あんなことがあったあとの五年間は、つばちゃんにとってどれほどの苦悩の時間だったんだろう。
苦しそうな顔で私への愛を叫ぶつばちゃんの顔が目に焼きついて離れない。
「つばちゃん……!」
大好きだった人。
物心ついたときから一緒に育って、ずっとずっと大好きだった人。
私の大切な、幼馴染み。
それなのに、どうして私は忘れてしまっていたんだろう。

