狂奏曲~コンチェルト~


「翼?」
「愛してる……」

 耳元で囁かれたその声で、体の心がぞくりとざわめいた。
 翼がゆっくりと、私を導く。

「かなめ……」

 私は抵抗しない。

 満たされるから。
 翼と一緒にいられて、翼と一つになって、私は幸せだから。

「翼」

 私は、翼に応える。

 優しくベッドに横たえられて、心臓がクレッシェンドのリズムを刻む。
 翼の優しい指揮に、私はただ従うだけ。

「ん……」

 高ぶるような私の中の衝動。
 それは、翼が作り出している絶妙な共鳴。

 二人で奏でる、一つのメロディー。

 別々の和音が、ぴたりと一つに重なって、重厚で荘厳な曲を作る。

 律動が二人を高め、音楽を作る悦びに、ただただ身を任せる。

「んあっ」
「っ……」

 クライマックスは、二人一緒。
 成し遂げた達成感と、心地よい虚脱感。

 それに浸っていた私は、突然、ヴァイオリンの弦が切れたかのような音に邪魔された。