狂奏曲~コンチェルト~




 お兄ちゃんにメールをして、翼と一緒に過ごすことを伝える。お兄ちゃんは快く了承してくれた。
 翼が二人きりになりたいと言うから、翼のアパートでのんびり過ごすことになった。

「ごめんな、いきなり」
「え、何言ってるの? 私、翼の彼女だよ? 一緒に過ごすの当たり前じゃん」

 笑ってそう言って、私は翼に擦り寄った。翼は笑って私を抱きしめてくれる。

「翼って、細いのに結構がっしりしてるね」
「……そうか?」
「うん」

 こうやって抱きしめられると、ものすごく安心する。とても幸せな気分で、満たされる。

「翼」
「かなめ」

 翼の綺麗な瞳に見つめられたら、それはキスの合図。
 私の旋律と、翼の旋律が重なる合図。

「翼、今日はなんか甘えん坊」
「かなめこそ」
「私はいつもだよ」

 私はそっと翼の顔をなぞる。

「好きだよ」
「……俺も」

 翼、好きだよ。

「私、どこにも行かないよ?」

 なんで、そんな不安そうな顔してるの?

「かなめ……」

 ぎゅっと力強く抱きしめられて、でもその息苦しさが心地良い。