狂奏曲~コンチェルト~



 そこにあったのは恋愛感情ではないのかもしれない。
 ただの幼馴染みとしての感情なのかもしれない。

 それでも、『大切な思い出』だったと言われて、心が張り裂けそうになった。

 かなめは、俺との思い出を大切な思い出と言ってくれた。
 忘れてしまっているとはいえ、酷い仕打ちをした俺との思い出を。

「かなめ……」

 愛おしくてたまらない人。

 すまない。

 謝っても許されないことだとは、百も承知だ。
 それでも、謝らずにはいられない。

「すまない……」

 あふれ出てくる涙を、止められない。

「すまない……かなめ……」

 俺の慟哭が、その夜止むことはなかった。