狂奏曲~コンチェルト~


「翼君、お昼?」
「ああ、その人が彼氏?」
「あ、新、こちら二階堂翼君。翼君、こっちは金津新」
「はじめまして」

 新は興味津々といった様子でじろじろと翼君を見ている。
 翼君はふっと笑って、

「有紀に殺されないように気をつけろよ。それじゃあ」
「げ」
「あ、ばいばい」

 翼君はすぐに背を向けて、食堂を出て行ってしまった。
 新は難しい顔をして、

「やっぱ、かなめのお兄さんが難関らしいな」
「ふふ、そうだね……」

 翼君は、いつも悲しい顔をしている。
 彼を、笑わせることができたらいいのに。

 翼君の想い人が、翼君のことを見てくれたらいいのに。
 翼君の想ってやまない彼女は、どんな人なんだろう。