嘘つきと夏の木漏れ日

嘘ではない……。


まだ決まってないもん。


高田くんはちょっと驚いた顔をして言った。


「え!?3年生の夏に進路決まってないって……やばくない??」


「高田くんも先生みたいなこというんだね」


私は頬をふくらまして言った。


なによ!!

みんな同んなじことばっかりいって!


どうせどこに決めても推薦はもらえるし、頭はそこまで悪くないからいいんです!!


っと言ってやりたかった。


でもそんなこと言ったら、私はただの嫌な子になってしまう。


だから頑張ってその言葉をのみこんだ。


「次は私の番!!!」


そう言うと高田くんはやれやれと言ったふうに、笑った。