嘘つきと夏の木漏れ日

先生たちは私が有名高校の申し出を断るんじゃないかと、焦っている。


まあ、そうよね。


ただの名もない県立中学から有名高校に入学して、もし私が有名になったら学校の評判もあがるからね。


……いっそ、中卒してやろうか?


「沙紀ちゃん?」


高田くんが私の顔を覗き込んだ。


おっと、私はまた黙り込んでいたらしい。




私は少し考えてからこたえた。


「うーーーん……。まだ決めてないんだよね」