嘘つきと夏の木漏れ日

へー!!


そーなんだ!


今度、挨拶にいかなくちゃ!


とは言っても挨拶に行っても、高田くんしかいなくて困っていた。

次に行くときは高田くんにメールしてからにしよう。


次は高田くんの番か。


私はドキドキしながら高田くんの質問をまった。


高田くんはにっこり笑って言った。


「じゃあ、沙紀ちゃんは志望校どこに決めたの?」


………それを聞きますか………。



夏休みにはいるまえに言われた一言。

『お前。夏休みあけたら進路希望、ちゃんとだせよ』


はい、はい!!

そんなこと、わかってるんです~!!


だいたい先生は不公平だ!!

他の子達にはもう少し待つとか言っときながら、私には早くしろっていうんだから!!


先生たちは私を早く決めて安心したいんだ。

私が問題児だからじゃない。


むしろ、その逆。


私は演劇関係で、いろいろな演劇の有名高校から『是非、私どもの高校に入学を!!』と言われている。



でも実際、私はこの申し出に返事しかねている。


確かに私は演劇が好きだ。


でも将来のことを考えると、普通の進学高校に通ったほうがいいんじゃないかと思っている。


だって演劇で食べていける人なんてほんの一握りでしょ?