「熱中……症?」
コクッと高田くんがうなずく。
なるほど……。
だからこんなに頭がふわふわしてして痛いのか。
熱中症なんて初めてなった。
私はおでこに手を持っていって、言った。
「この冷却シート。どうしたの?」
「ん?……あぁ。俺のおじさんも熱中症になって、それで冷却シートを買ってきたついでに沙紀ちゃんの顔を見に、立ち寄ってみたら、その沙紀ちゃんまで熱中症だった。それでこの冷却シートは役に立った。こういうこだよ」
ほへぇー、なるほどなるほど。
って!!!
私は少し目を見開き言った。
「おじさん、熱中症なら早く帰ってあげくちゃ!!」
高田くんは私の頬を軽くギュっとつまんで言った。
「そんなこと気にしなくていいから。おじさんよりも、沙紀ちゃんのほうが、きになるし。……それにおじさんのはこの暑い中何時間も永遠に写真なんか撮ってたからこうなったんだし、自業自得でしょ」



