嘘つきと夏の木漏れ日

心配そうに、でも少しイラついた顔で私を抱き上げた。

え……?


私はふわふわとする頭をおさえて、どうにか今の状況を把握する。

そして家の中にズカズカと入りながら言った。


「沙紀ちゃん。ちゃんとご飯食べてる?すげー軽いんだけど?」

え!?

今それ言うところ??

私には高田くんがなぜ私を抱き上げているのか分からないんだけど!?

ていうか、荷物を運ぶみたいな持ち方だし。

私は戸惑いながらもこたえる。


「う、うん。ちゃんとご飯食べてる…よ」


高田くんは訝しげに私を見る。


むっ。


その顔は信じてないな ……。


一応食べれるだけは食べてるんだけどな。