嘘つきと夏の木漏れ日

高田くんの冷んやりとした手のひらが私のおでこに触れる。


あ、高田くんの香りがする…。


シトラスの香りに混じるムスクの香りがふんわりと私の鼻腔をくすぐる。


爽やかで少しだけ甘ーい香り。


私は目を閉じた。

頭がとってもふわふわする。



高田くんが私の手を引いて、私を無理やり起こす。


「沙紀ちゃん。いつからここにいる??」



私は頭痛のする頭をどうにか働かせ少し間を開けて言った。


「んー……1〜2時間前……かな?」


高田くんは大きくため息をついた。