嘘つきと夏の木漏れ日

私はその可能性を自分の中でくしゃくしゃに丸めてゴミ箱にほうりなげた。



あーあ。



そう言えば高田くんって好きな子いるのかな?


やっぱり学校違うと、そこらへんはわかんないのよねぇ…。


いたらどうしよう?



……。


まぁ、そんなの関係なしでいこう!


「沙紀ちゃん。沙紀ちゃん。このサンドイッチ美味しいね!」


私はいきなり声をかけられて、体をビクつかせた。



そこには幸せそうに私が作ったサンドイッチを頬張る苳也くん。

……私が作ったサンドイッチを、ね。


私はむくっと起き上がり言った。


「苳也くん。…それ私が作ったやつだよね?」


苳也くんは頷くと満面の笑みで言った。


「うん!!そーと、うまいよ!」


私はチラッと苳也くんの足下を見た。


そこにはサンドイッチが入っていたお弁当箱が開けられていた。



んー、なるほど。



……。


苳也くんはニコニコしながら私を見る。