嘘つきと夏の木漏れ日

なっっっ!!


「なにするのよ!?」


私はキッと顔をあげて、睨みつけた。


なのに、苳也くんはニコニコ笑って言った。


「うーーん♪思ってたよりだいぶ可愛い!それに………」


苳也くんは少し視線を下にずらした。


……なんなのよ?



私は訝しげに首をかたむけた。


苳也くんはニヤッとしながら、言った。



「センスもいいしね♪」

センス?

全くもって意味不明なんだけど。


私が何も言えずにいると、後ろからものすごい勢いで、引っ張られた。


もう!

なんなのよ、さっきから!?


私を引っ張ったのは高田くんだった。


……ていうか、私がバックにいれてきたタオルをかけられ、首の前でキュッとしめられた。



「沙紀ちゃん……。お願いだから俺が帰ってくるまで、そうしてて」

後ろをチラッと見ると高田くんは顔を真っ赤にしていた。


そう言ったと思うと、高田くんは横でケラケラ笑う苳也くんを引きずっていく。


苳也くんはニヤッと笑いながら言った。



「それにしても、夏樹。お前、黒髪なかなか似合うな!」


「うるさい!少しでいいから黙れ!」


「あ、沙紀ちゃん!俺、水玉好きだよぉ〜♪」


み、みずたま?


それがどうしたっていうのよ?

高田くんと苳也くんはそう言ってどこかに言ってしまった。


1人のこされた私は、手で髪をしぼりながらつぶやいた。



「仲いいな」