嘘つきと夏の木漏れ日

私が笑ってごまかす。


高田くんは優しいから大きくため息をついて微笑みかえしてくれた。



あ、やっぱり高田くんはかっこいいなぁ~。



「おーい。お二人さん。俺のことを忘れてねー?」


苳也とか言う人は呆れたように言った。


なんなのよ、この人。

今いいところなのに。


私がキッと苳也と言う人を睨んだ。


苳也くん(名前しか知らないし、名前で読んじゃえ)は私の視線に気づくと、おっと声をあげて言った。


「あんたが噂の沙紀ちゃんか!……うんうん♪」


苳也くんはニコニコ笑いながら私に握手をもとめてきた。


……高田くんの友達だし、ね。


私は手を水の中からだした。


「………キャッ」


思いっきり上に引っ張られた。


あまりの勢いにバランスをくずして、苳也くんに抱きつく。