嘘つきと夏の木漏れ日

私は高田くんの声を聞きながら、高田くんの背中に頭をコテっとのせた。


この体温にふれて、その声を聞けるならもう、なんでもいいよ。










………やっぱりそんなの大嘘。


怖いものは怖いのよ!!


いくら私が高田くんのこと大好きだからって、このスピードは絶対無料!!

私はやっぱり顔を青くしたまま、15分間ずっと、心地よくないゆれにゆられながら地獄のような時間をすごした。



目的地についたときには、もう足がフラフラ。


高田くんは私を支えながら心配そうに、でも満足そうに言った。


「大丈夫??」

そあれだけ好き放題スピードだしたら、そりゃそりゃ満足でしょうよ。


私はガシッと高田くんの腕につかまって、にっこり笑っていった。


「高田くん。私はゆっくりめに自転車を走らせてくれるほうがいいな?どうしても早く走りたいってときは、ちゃんと荷台にタオルかなんかしいてくれなきゃ、絶対やだ」