あの私の小さなマンションにいると、どうしても心が虚しい。


私はどこかで思ってたんだ。

絶対にふられることはないって。


告白してきたのは向こうからだ。



私は思われるのが好き。


自分が思うのは大嫌い。



私は追いかけられるのが好き。


でも自分が追いかけるのは大嫌い。




私は手の甲で額にうかんだ汗をぬぐった。



懐かしい場所についた。


おばあちゃんの家だ。



この夏、私は一人でここでくらす。



私はさっそく玄関を開けた。




つーんと鼻をつく懐かしい香り。