嘘つきと夏の木漏れ日

「沙紀ちゃんひっでぇー!」

予想通りの返答がかえってくる。

「あはは!ごめん、ごめん!」

それがおかしくて、私は謝りながら笑う。

本当、幸せ。

ずっと話していたい。


私は横に置いていた、本を手にとって屈託無く笑う。


何もなくても微笑んでしまう。


とにかくずっと一緒にいたい。



高田くんは本を持つ私の手に自分の手を重ねてきた。


心臓が大きく飛び跳ねた。


高田くんは真剣な目をして言った。


「それ、何読んでるの?」


あ、本?