ここに私を呼んだのは、おばあちゃんだ。


手紙にはただ「この夏だけでも、おばあちゃんの家にこない?」ということだった。


おばあちゃんがなんで私をここに呼んだのかは分からない。





でもちょうど良かった。


今年の夏はあのマンションにいたくなかった。

私の家は両親と血のつながっていない同い年の弟が1人。


弟はなんでも両親の友達の子供らしい。

弟の両親が交通事故で死んで、私の家がひきとった。

同い年なんだけど、私のほうが早く産まれたからお姉ちゃん。

仲もいいし、私のこともしたってくれている。

そんな弟のことは私も昔から甘く育ててきた。


でも、私は両親と弟とはべつにくらしている。


私の両親は私にとても優しい。


だから私が一人暮らしがしたいと言えば、すぐに書類に印鑑を押してくれた。




そして私は少し立ち止まった。




雲一つない空を見上げた。


あまりにも美しくて、つい恨めしく思った。