嘘つきと夏の木漏れ日

……そんなことどうでもいい。


理由はわかんないけど、彼が好き。



彼は少し微笑んで言った。


「俺、高田夏樹(タカダ ナツキ)。そっちは?」




私は少し早口で答えた。


「私、七瀬沙紀(ナナセ サキ)。夏休みの間、お世話になります!」



高田くんって言うんだ。



私は火照った顔で高田くんを見つめた。


高田くんは微笑みを崩さないまま言った。


「なんか、荷物の片付けとか手伝うよ。大きな物とかあるんじゃないの?」