嘘つきと夏の木漏れ日

私は絶対にここの学校に行く!



もう決定だ!



私がニコニコしてると、今度は高田くんがニコッと笑って言った。



「次は俺の番だ」


「うん♪好きなこと聞いてよ」


今は機嫌がいいからなんでも答えちゃうー!


高田くんはニコッと今までにない微笑みをうかべて言った。



「沙紀ちゃんはどうしてここにいるの?」


え?


今までにうるさく鳴いていた蝉の音が、遠ざかっていく。


私は手首をにぎり、笑っていった。



「なんでって、おばあちゃんのお願いだったから…」


高田くんは目を細めて言った。


「あぁ、じゃあ言い方をかえるよ。沙紀ちゃんは今更ここに何をしに来たの?」



ドクンッと心臓が大きく高鳴って、止まってしまったみたい、息苦しい。


また、蝉のうるさいなき声が聞こえ始める。


私は口元に手を当てる。


一瞬触れた自分の唇は、嘘のみたいかわいていた。


私はカサカサした唇を潤すように、一回舐めた。