何年も何年も待ってるけど、一度も言ってくれない。 別に彼女でもないから、当たり前だけど。 でも、一度でいいんだ。 私はもう少しで、この町から居なくなっちゃうから。 その前に、一度だけ、聞きたい。 「舜くん」 舜くんの後ろから話しかける。 「好きだよ」 彼からの返事は無い。 私はそれがなんだか、嬉しくて笑った。