夏休みはいろんなものを連れてきた。


1つは新しい塾生。



「なー、宿題やった?」

「やってない。持田(もちだ)は?」

「俺もー。」



同じ中学ではあったものの、顔見知り程度だった持田が、新しく塾に入った。

コイツが、今の私を保っていると言っても過言ではない気がする。



もう1つ、夏休みが連れて来たのは。



「え、誰?」



理科の時間、教室に入ってきた先生。
それは、高里先生ではなかった。



「高里先生はお休みのため、俺が代理を務めます。」



誰だ、コイツ。
って、先生…お休み?



「なんで休みなんですかー?」

「おたふくです。」



……おたふく?


どこからかやってきたおたふくは、塾の中で広まり。


すでに経験済みが多い私たちのクラスでは猛威を奮うこともなく。

経験済みの私も大きく構えていたわけだが。



まさか先生が済んでなかったとは…。

それから先生に会えない日が何日も続いた。


約1ヶ月。
初めての期間だった。