「…であって、この公式は…」

黒板にチョークを叩きつけるように
意味のわからない暗号のような
数字を書き出す

ハゲ

いや、数学の上原先生

ハゲの頭はまさにハゲと呼ぶのに相応しい
ハゲだ
たまに、光に反射して眩しくもなる


そして、そんなハゲの授業はとにかく

眠い

そして、めんどくさい

そして、理解できない


はぁとため息を着く

俺、瀬戸 涼太(セト リョウタ)の
机に広げられたノートは
見事に真っ白だ


そして、俺はそんなノートには目もくれず
何も書こうとせず
俺の席の左隣の窓をみた

青く澄み渡る空

見事に快晴だ

そして、5月ともなり葉桜と化した
桜の木がサワサワと風に揺れる

それと同時に揺れる
うすうぐいす色のカーテン

俺はそんな窓をみながら

数分後

すぅ…と居眠りを始めた


そうだ、これが終われば…


すぐ行こう…