震えた手、その手で鞄から出したのは携帯で
気づくと
「もしもし嬢~?どうした~??」
遥に電話していた
『・・・、』
声が出なかった
「嬢~??どうした~?嬢~!!」
『あ・・・、ご、め、』
「桜・・・大丈夫か・・・?」
遥はズルい
こういうとき優しいんだ
不安が一気に安心へと変わっていく
電話の向こうから、ブオン、ブオンッ・・・、というバイクの音が聞こえた
そして
「桜、今からすぐに行くから家の外で待ってろ」
という声がした
その後ツーッ・・・ツーッ・・・という電子音も聞こえた
私は携帯を切り、少しボーっとしていたが、
急いで大きな鞄と財布などが入った小さい鞄を持って1階に下り、玄関で靴をはいた
そして家を飛び出すと―――――・・・
凄く焦ってる顔をした遥がいた

