『届かね~の~??』
俺は、その男に声を掛けた
「・・・っ」
するとビクッと肩を揺らし男は俺のほうを振り返った
『はい、ど~ぞ』
俺はこの男が頑張って手を伸ばしていたお菓子を軽々ととって、男に渡した
「・・・あり、がと」
男の声は透き通っていて綺麗な声だった
不覚にもこの男にドキッとしてしまう自分がいた
でも"男"だ
俺にその気はない
俺は"じゃ~ね~"と手を振ると、またアイスコーナーに戻り
イチゴ・オレの好きな嬢用にイチゴ味のアイスをかごに入れた
レジで会計を済ませ、コンビニを出てマンションに帰ろうとしたとき
後ろから
「さっきはありがとうございました」
という声がした
振り向くとさっきの男がいて、すぐに何かを押し付けられ、男は去っていった
押し付けられたものを見ると、袋いっぱいになるほどのアイスクリームだった
俺はクスッと笑うとそのパンパンの袋と、自分で買ったアイスの袋を持ちマンションに帰った