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気づけば祭りの時間が迫っていた

時計を見るたびイライラして、それを紛らわすために山のように煙草をふかしていた




普段は滅多に吸わないのに













祭りは嬢と一緒に回りたかった、それが本音






絶対と呼ばれし王様ゲームで嬢は、昴と回るということが決まったからには仕方ないとわかっている







でも、途中で昴から奪ったらいいんじゃ・・・

と良からぬことを考える






そこでハッとした








嬢・・・いや、桜が他の男と祭りに行くからっていちいち独占欲を振りまいて嫉妬する小さい自分に












遥、そう優しく俺の名前を呼ぶ桜が愛おしくてたまらないことを悟ったのだ









『ハッ・・・・・・だっせ〜な〜ほんと・・・』







余裕のない自分に乾いた笑みを浮かべながら煙草をコンクリートに押し付け火を消した