「着きましたよ、坊ちゃん」
車が停止し、榊がそう言った
『ここ、は・・・?』
車から降りると大きな倉庫
周りには凄い形相の男達が単車に跨りながら煙草を吸っていた
よくみると皆、半袖からくねくねとした黒色のタトューがチラチラ見える
ここは僕とは縁遠かった世界だ、とそれを見るなり察したのだった
榊がその男達を見ると、男達も榊に気づいたらしく煙草を地面に押し付けながら睨んできた
「、ンだてめぇ・・・ここをどこかわかってンのかあぁ??」
下品な言葉遣い、虹色の如くカラフルな髪、着崩したジャージ
僕には理解ができなかった
その時、榊が僕の前に立った
「てめェ誰に口聞いてンだよ、
・・・殺るぞ?」
榊も同じような口調でしゃべったのだ
え・・・?と間抜けな声を出す男達
それもそうだ、榊みたいなキッチリとスーツをきこなした人からそんな言葉が出るなんて思ってもみなかったのだろう
しかもビクッとするような低い声でそういったのだから、怖いのも無理はない
こんな榊、初めて見た

