『ありがとうございます・・・』
「お前の住む場所は好きに決めるといい
城田名義で話を通せ、すぐにでも借りられる」
父は・・・難しい人じゃなかった
固い人じゃなかった
本当は優しくて温かい人だと思った
『はいっ・・・では失礼しました』
僕は一礼して部屋を出た
「どうでしたか?坊ちゃま」
部屋の外に出ると榊さんがいた
僕達は一旦部屋から少し離れた角まで行った
『自由になれたよっ』
僕がニコッと笑い、そう言うと愛想笑いもしなかった榊さんがフッと笑った
「それは良かったです
こちらのほうも大歓迎だそうです」
『よかったーっ!!!』
僕はふう、と一つため息をついて、肩を下ろした
「では坊ちゃま、明日にでもお家を探しますか??」
『うん!!』
中三の僕にとって勉強で追い込まれていた
でももうそんな堅苦しいところには行かなくていいんだ

