『榊さん』
「はい」
僕は部屋を出て少しした所で僕の後ろをついてきた榊さんに声をかけた
『僕、そろそろ家を出ようかな』
「そうですか」
榊さんは冷然とした態度を僕に見せた
こんな榊さんは久しぶりに見た
『う、ん』
僕は戸惑いながら返事をした
「私の友人のところに行きますか?」
『えっ・・・』
「私の友人はある高校の理事長をしております
その高校は今坊ちゃまが通ってる高校とは正反対な場です
わかりますか?」
正反対
かしこまらなくてもいい場所
僕を双子の片割れ・・・必要ないとは思われないところ
『行く、僕そこに・・・行きたい』
返事は決まっていたんだ
どんなところでもいい
僕が、お兄ちゃんじゃなくて僕自身が輝ける場所に
行きたかった

