『翼、涙溜めなくても何にもされてないから、私』




"大丈夫だよ"といって私は翼の頭を撫でた



「それにしても翼が女に抱きつくなんて・・・初めてみたわ~俺」



「さくちゃんは特別なの!」



「ほ~、・・・そろそろ嬢も困ってるようだし離してあげな~」



呼び方が桜から嬢に変わっていたが、そこまで気にも留めなかった



「あ、ごめんねっさくちゃん!!」



翼は私から少し離れ、申し訳なさそうに私の表情を窺っていた



『うん、大丈夫だよ』



私はそれだけいうといつの間にか手から落ちて地面に転がって中身が全部出ていたイチゴ・オレのパックをゴミ箱に捨てた










「嬢~」



遥のほうを見ると遥はポケットに手を突っ込んでまた手をだし"手~出して~"と言ってきた



私は素直に手を出すと遥は私の手の上に何かをのせてきた



『何??これ?』



「イチゴ・オレの代わり~」



『ありが、とう・・・・・・?』



手のなかのものを見るとキャンディーとキャラメルがあった



不思議そうにその2つを見ていると翼が



「はるちんはお菓子が大好きなんだっ」



とコソッと教えてくれた



遥がお菓子好きということが妙に違和感を感じた



でも遥の気遣いが凄く嬉しかった