そして大きい鞄から鏡とクシと化粧道具を取り出しテーブルの上に鏡を置いた
私の髪は胸上くらいまでのミディアムだ
意外にも寝癖がついていなくてびっくりした
私はクシで髪をとかし、うっすらとナチュラルメイクをした後、片付けてソファーに脱力した
『はぁー・・・・・・』
人生の中で何回ため息をついたのだろうか
もう幸せなんてとうのとうに底を尽きているに違いない
『はぁー』
もう一度ため息をつくとコンコン、というノックの音がした
返事をする前に時計をみると朝の9時過ぎだった
『はい』
「あ~俺だよ~、翼も来たんだけど用意できたか~??」
よかった・・・用意してて、と、心底思った
『うん、用意できたよ』
私は用意していた黒の鞄を持ち、扉を開けた

