嶺さんってどんな人なんだろう、、、
知りたい!そんな気持ちがとまらなかった。
皿洗いを終え自室へ戻ろうとする
嶺さんを私はなぜか引き止めてしまった。
服の裾をつかまれた嶺は立ち止まった。
「どうした?」
あまりにもやさしく甘い声に
驚いた。
「ぁ、あのぉ・・・」
「俺の部屋に来て。俺は、君と
少し話しがしたい。」
「はい。」


男の人の部屋は、初めてはいった。
「君は俺らの事まったく
知らないの?」
「はい。母からも何も
知らされずにつれて
こられました。」
「俺らは君のお母さんに
育ててもらったんだ。」
私は、その話の意味がよく分からなかった。
「俺らは、みんな君と同い年で高1で君は、
月曜から同じ学校へ通うことになる。」
嶺は、さらに話を続けた。
「俺らは君のお母さん、夏さんに君を守れ
といわれた。」
守れ?どういうこと?
「だから俺らは常に君のそばにいる。
夏さんの命令は絶対だから・・・」
私は話を整理した
「私のお母さんは、嶺さんたちの
お母さんでもあるってこと?」
「いや、それは違う。俺が
小5の時夏さんに出会った。
俺は夏さんに救ってもらった。
そして、夏さんの家、
つまりこの家に住まわせてもらった。」
「えっ!この家ってお母さんの家なの?」
嶺は、こくりと頷いた。
「明後日から学校だから準備しておいて。」
そういって部屋を出て行った。
取り残された私は、止まっている事しか
できなかった。