「いやー、それにしても、リア充はうらやましいなぁ…」

5月の連休が明け、そんなことを私の隣で言ってるのは、滝沢だった。

「はいはい、あんたも彼女作ればいいでしょ」

「欲しいけど、告白したくない」

そんなこと言ってると彼女できないよ、と言いかけてやめておいた。
怒るだろうから。

「滝沢なら大丈夫だって、友達も言ってたもん」

「いや、それは知ってる」

自意識過剰男…
大体、告白したくない、とか言いながら、私に想いをぶつけてきたのはどこのどいつだろうか。

「あー、気分転換に、遊びに行きてぇ」

5月の爽やかな風が、ポニーテールを揺らした。

今は昼休み。
窓際で頬杖をつきながら、外を眺めている滝沢は、不覚にもカッコイイと思ってしまった。